感情センシング&ビジネスデザイン

人の”こころ”を測るセンシング手法の紹介と、それらのビジネス活用の可能性について考えます。

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そもそも脳波とは?(1/2)

脳波とは何か?(1/2)

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脳波とは、脳から出ている波形状の電気信号のことです。 

人間は大きな電化製品で、何かの外からの刺激に反応したり、体を操作したりするために、脳が司令塔となって各所に電気信号を常に送っています。

筋肉を電気で動かすとかいうのは、なんとなくどこかで聞いたことがあるのでは。

その電気信号は、皮膚・頭蓋骨を経由して脳から漏れ出ている。それを計測しているのが、”脳波”です。

その脳波の基本を、分かりやすく解説します。

 

 

脳波は常に出ている

脳が何も指令を出していない=何も体に何も信号を送っていない状態というのは生きている以上、ありえないです。いくらぼーっとしていても、呼吸はしているし思考もしている、内臓も動いている。息を止めても、「息を止める」のに筋肉使っているしね。

それがないということはつまり、生体活動をしていない=死亡しているということになる。いわゆる脳死状態ということ。今はほとんどの国で脳死=死亡とされている(臓器移植とかはこの脳死判定がされると行われますね)。

植物状態脳死していない状態の為、脳波が出ている。周りの人には全く活動をしていないように見えても、本人の中では何か感じていたり、思考していたり、もしかしたらするのかもしれない。

 

単位はV(ボルト)

脳波というから紛らわしいのだけれど、電気信号で、単位はV(ボルト)です。

単位がわかると、身近なものに感じませんか?私が最初に単位を聞いた時には「あっなんか分かりそうかも」と、とっても身近な存在に感じました。

 

取得する方法

取得する方法はとても簡単で、頭に電極を貼り付ければOKです。

ただ髪の毛がジャマだったり、電極をつける場所によっては脳波が出にくい場所だったりで、計測の時に抑えるべき基本ルールみたいなものはあります。この辺りは別記事で紹介しているので、よかったら見てみてください。

 

pororoca.hatenadiary.com

とっても小さい電気信号

だいたい数μV(マイクロボルト)〜数十μVくらいです。どのくらい小さいかというと、静電気の10億分の1くらい(静電気は3000Vくらいだそうですね) 。

なので周辺のノイズには相当気を使う必要がある。

計測の際に、脳波だと思っていたら違う信号だった(筋肉を動かすときの電気信号だったり、脳波計の中の電磁ノイズだったり)、なんていう状況は結構、本当に多くあります。

 

波形の信号です

音波なんかと同じように、脳波も波形信号です。

様々な波形が重なり合った状態で出てきて、またある程度規則性がある波形をしています。

なので、周波数分析が可能です。〇〇Hzとか(2Hzは1秒間に2回、50Hzは50回繰り返す波形ですね)、聞いたことありませんか?

例えば、低周波(例えば7Hz〜11Hz。俗に言う”α波”)が強ければ、リラックスしている、高周波(例えば15Hz〜25Hz。こちらは”β波”)ならストレスを感じている、などなど、周波数によって違う意味づけをすることができます。

 

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時間分解能が高い

電気なので、速いです。ドン!ときた刺激に対する反応が、その直後にバン!と脳波に現れるイメージです。笑

例えば、ボラー映画に、「ギャギャン!」みたいに唐突に音が大きくなってびっくりさせるシーン、ありますよね?その時、心臓がドキドキしますよね。その心臓のドキドキ(心拍)を計測すると、その人は「驚いた」ことが本人に聞かなくても分かりますよね。

この時の心臓のドキドキは、①脳がそのシーンをみて、怖い!とストレスを感じて、②それが心筋に影響を与える、流れで発生したものですね。脳波は脳活動を捉えているので、①を見ています。心拍は②を見ているので、脳波の方が時間的に早く反応が出そうな気がしますよね。

また脳活動を測る方法の中でも、脳波計測は反応を早く捉えられているとされています。脳活動を測る方法は脳波以外にも、脳血流だったり、fMRIだったりと色々な方法があります。

それらは、脳の指令に基づいて変化する脳の中の血流量や酸素量の動きを捉えていたりするのですが、脳波はその指令自体(電気信号)を計測しているので、早いとされています。なんとなくイメージできそうですよね。

脳活動を測る他の方法に関しては、また別の記事で紹介します。

 

測る位置は大切

何をしている時に、脳のどの部位が活性化するかは、先人たちの研究結果からほとんど分かっています。前頭(おでこのあたり)から強い脳波信号が出ていたら、その人は”思考している”可能性が高い。などなど、様々な種類があります。

なので、頭のどの辺りで計測するかによってはその信号の意味が違ってくる可能性があり、計測する場所は大事になります。

 

 

次回はもう少し深く、脳波とは何か?整理してみます。