巷の脳波計測デバイス(Interaxon社)
設計思想は目的特化!な脳波デバイス
個人的な印象としては、Emotiv社の次によく見る脳波デバイスであるMuseシリーズです。この会社(Interaxon社)の開発戦略は「この目的で使うものです」と用途が最初にあり、それに沿ってモノづくりをしているイメージと個人的には思っています。「作りました。使い方はあなたが考えてください」の旧態依然のスタイルではなく、課題を解決するものを作る、事業計画としてはまさにそうあるべき!を貫くスタイル。
そんなInteraxon社の提供する脳波計を、一部紹介します。
注意:本当に私の独断と偏見でコメントしております。間違いや「こいつわかってないなぁ」などありましたら、それはすみません!
Muse 2 (https://choosemuse.com/muse-2/)
基本SPEC
◾️金額:$209.99 28,000〜¥30,000程度(日本代理店により料金差あり)
◾️電極数:7個(チャネル5個+リファレンス2個)
→ただし、5個のチャネル(下記AF7〜AF8位置)が信号的に分離しているかは不明です。
◾️電極タイプ:ドライ
◾️駆動時間:〜5時間
◾️重さ:51g
◾️その他センサ:パルスオキシメーター・?軸加速度・?軸ジャイロ
◾️通信:BT4.2
◾️計測箇所: AF7, Fp1, Fpz, Fp2, AF8, Tp9, Tp10
◾️サンプリングレート:?(1世代前のMUSEは220Hzか500Hzの選択が可能)
◾️検出域:?
感想:扱いやすいTHE・ウェアラブル脳波計
脳波を使用した独自アプリを開発されている企業が、連携デバイスとしてよく選んで定いる印象があります。連携用のAPI等のソフト周りも含めて、開発側にとってもUI/UXが優れているデバイスってことですね。
脳波と合わせて、パルスオキシメーターによる心拍数の計測、加速度とジャイロ(何軸かが分からなかったのですがおそらく3軸なのでは?)で姿勢や呼吸数もわかる。
デバイスは伸縮するバンド部分やクッション性のある額部分で、どんな頭の大きさの人でも使用できるようにしつつ、接触ずれを少なくする工夫が見られる。耳掛け部分の電極(メガネの”つる”部分のよう)がリファレンスになるのだけれど、この電極は金属ではなく導電性のゴムで、滑り止めにもなり装着性も良い。
Emotiv社とは異なり、同社はこのデバイスを瞑想用のデバイスとして最初から販売しており(Emotiv社は脳波計測用のデバイスとして販売)、生理指標の計測目的というよりは理想の瞑想状態に導くために必要なセンサー機器を製作したような印象(WEBにもあまり詳細スペックがないのはそのせいかな。。)。
個人的には、少し耐久性が気になる機構かなとは思う。額のクッション部分が特に脆いような印象は受ける。また、基本はEmotiv社のInsightと同様で、日常使いをするのには少し厳しいかな、、という印象。やっぱりベルト型はどれだけデザイン性を高めても、外で見かけたらギョッとする。元々この製品の目的は瞑想用で、家で一人で動かず、使用することを前提としているようなので、デザイン的にも機能的にも目的には合っているということだと思う。
MUSE S (https://choosemuse.com/muse-s/)
基本SPEC
◾️金額:$299.99
◾️電極数:7個(チャネル5個+リファレンス2個)
→ただし、5個のチャネル(下記AF7〜AF8位置)が信号的に分離しているかは不明です。
◾️電極タイプ:ドライ
◾️駆動時間:〜10時間
◾️重さ:41g
◾️その他センサ:パルスオキシメーター・?軸加速度・?軸ジャイロ
◾️通信:BT4.2
◾️計測箇所: AF7, Fp1, Fpz, Fp2, AF8, Tp9, Tp10
◾️サンプリングレート:?(1世代前のMUSEは220Hzか500Hzの選択が可能)
◾️検出域:?
感想:Muse 2 を睡眠特化させたデバイス
睡眠時の脳波計測による「快適な睡眠のサポート」は瞑想と並んで脳波デバイスの使用方法としてよく挙げられる方法だが、本デバイスはまさにそれ。フェルト型でストレッチもきくボディで、睡眠時の快適な装着を実現しているよう。連続駆動時間が〜10時間というのも睡眠時間に合わせて設計しているように思う。
Muse2と比較して軽量化にはなっているものの、ボディのサイズは大きくなっているので、こちらも外で使用するのは厳しいかな。睡眠時に特化しているもののように思う。カチューシャより大きなバンド型デバイスをつけて何かをするというのは中々抵抗あるよね。デザインという意味でも、睡眠以外の用途で使用するのであれば、Muse2の方が汎用性は高いような印象です。
少し話は逸れますが、何らかのデバイスを顔付近につけながら眠る、というのはアリなのかな?と若干懐疑的です。
人は睡眠が深いとシンプルに動かなくなるので、睡眠状況は枕元や体のどこかに加速度計などの動作を計測できるセンサーを設置すれば測定は可能。AppleWatchとかでも計測できるね。
こちらのデバイスの方がセンサーの情報量が多い(脳波&心拍&加速度)ので、加速度のみから計測したものと比較しておそらく高精度なのだろうけれど、その差が如実に出ていないと、「AppleWatchとかでよくない?」となるように思う。それくらい顔付近に装着するハードルは高いと個人的には思っていて、つくづく、顔付近に接触する必要のある脳波デバイスはその価値を明確に示さないと使用されないな、と感じております。