感情センシング&ビジネスデザイン

人の”こころ”を測るセンシング手法の紹介と、それらのビジネス活用の可能性について考えます。

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【読書感想文】イノベーション・スキルセット 世界が求めるBTC人材とその手引き

 

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BTC人材とは!?

 →Business/Technology/Creativeを知る、イノベーションを加速させる人材。

 

それは憧れる!!

読んでみました。

 

 

<<<まずは感想!>>>

 

BTC人材×大企業、相性悪い…?

このBTC人材は、大企業が自社内で事業開発をする上では厳し目なのでは…?

という印象でした。

大企業では、自社内のビジネス・テクノロジー・クリエイティブの分かる

専門部隊がいて、それらを束ねるポジションがもっともこのBTC人材の

ポテンシャルを発揮できるのだと思う。

つまり事業の推進隊長ポジション(結構トップより)だと思う。

 

そうじゃないと、皆の意見を聞いて上手く調整するだけの立ち位置になってしまう。

(まぁその人材価値も割と高そうだけど)

 

とすると、大企業でこのポジションになれるのは、結構おじさんになってから?

 

 

それに、筆者のいるTakramやIDEOのような、クライアントワークを行う

デザインコンサルティングファームであれば、

短期の間にいくつかプロジェクトを回すことができるのだろうが、

大企業で”メーカー側として”やる場合には、

立ち上げた後の面倒も当然に見る必要があるので、やれる回数は少なくなる。

 

大企業内でも、立ち上げ部隊と実行部隊が分かれていれば良いのだけれど、

そんなは企業見たことない。

(”形式上は”そうなっている企業は何社かみたことあるけれど)

渡す方の熱い温度感や使命感を、渡された方にうまく伝達することはできないよね。

それに事業推進者としては、渡したくない!と思うのが普通なのでは。

 

とすると、

40代くらいから事業推進隊長になれて、

1プロジェクトに最低でも5年程度かかるとすると、人生で1−2回?

1−2回の実績でBTC人材です!といえるのだろうか?(しかもその頃には何歳だ?)

 

 

 

大企業の新規事業部門って…ヤバいのかな??

本書ではBTC人材としてのキャリアを磨く上でオススメの方法として、

できるだけアーリーステージのスタートアップへの参画もしくは起業を推奨していた。

私は大企業の新規事業開発部門にいる。Bが専門領域のタイプなのだと思う。

 

今の会社では、私は31歳とまだ若手(もう中堅かな?)ながら、

事業推進者として振る舞うことを許してもらっている。

しかしながらこの5年間、ビジネスを立ち上げた経験はなく、

今年こそ!と毎年思っている。

正直、焦っている(しかし今年は本当に、今年こそ。と思ってる)。

本書の中でも、大企業の新規事業部門に5年間いて事業立ち上げ経験がない人の

コメントが紹介されていた。

(ただ彼/彼女は「バッターボックスに立たせてもらえない」とのことだったが、

 私はおそらくバッターボックスには立たせてもらってる。事情は違うか。)

大企業での新規事業って上手くいかないのか…?

 

いや、そんなことはない…!!

個人的には、大企業内でイノベーションを起こすことをしたい。

仕事内容的にも多くのベンチャー企業の方々と話してきているけれど、

なんだかんだ大企業内での環境は恵まれていて、資金もリソースも潤沢。

方向性があっているならば、こちらの方が良い、という印象(今のところは)。

皆でスクラムを組んで大きなことを成し遂げる、その感覚も性に合っている。

 

新規事業を立ち上げる場合、なんとなく、

ビジネス知識だけ、ではなく、テクノロジーかクリエイティブのどちらかは結局

知っている必要があると思う。

私の場合は、専門分野であるテック知識がきっかけだった。

そこに、事業計画立案の上で、必要になるビジネス知識が必然的に関わり、

使用者との接点設計(UXデザイン)でクリエイティブ知識が今、必要になっている。

なので新規事業を一つ立ち上げれば、基本はBTC人材になれるのかな、

というかならざるを得ないのかな、と感じた。

結局、メーカー企業で新規事業を立ち上げるということは、

打ち込み度合はむ起業と同程度のはずだ。

一つをしっかりやり遂げるのは大きな経験になる。

 

本書にも書いてあった、マーケティング/商品企画を担当したのちに、

サービスデザインを学び、BTC人材となっていく、キャリアパスはとても自然。

ただ私の場合は、いきなり事業開発部門なので、サービスデザインを最初から

やっている形になるのかな。

マーケティングや商品企画は当然、事業開発の中に入ってくる要素だから、

結局、それぞれの要素は薄く広く経験していることにはなっているのか。

これを”薄い”と捉えるかは自分次第か。

 

結局自分がどれだけ一生懸命やったか次第だ。

 

どんなキャリアパスを描いてBTC人材になる?

最初はBTCの中のどれか一つに自身の得意領域があって、

そこから越境して得意領域を広げていく、のがキャリアプラン

これはそれほど違和感はないのでは。

よくある、エンジニアのI型人材→T型人材へのキャリアプランと基本同じ。

そして事業の立ち上げを推進者として実施すれば、自ずと全要素付いてくるもの!

と、上述の通り個人的には理解しているつもり。

 

ただ効率よくこの、BTC領域を越境できる人材を育成するのには、

けっこう教育環境が整っている必要があるのではないかと思う。

本書にもあったTakramのプロジェクトアサインルールに始まる教育制度は素晴らしい。

そんなのができている企業はなかなかないのでは?

やろうとすれば結局、どこでもできるといえばそうな気もするけれど、

組織の協力と理解のあるTakramのシステムは、正直羨ましい。

 

新しい領域へ移行するタイミングっていつ?

当然の疑問な気がする。

越境するっていったって、今の自分の得意領域でさえ、

周りには自分より詳しい奴がたくさんいる。

「この領域でさえ1人前になっていないのに、他のことやってる暇ある?」

なんて聞こえてきそう。

 

本書内の「”リテラシーから始める”くらいの気持ちでいい。」は響いた。

その通りかも。やってみればいいじゃない、と思った。

最近読んだ ”10年後の仕事図鑑”の中で、ホリエモンも言ってた。

「複合的な得意領域をもつ(〇〇も詳しいし、〇〇も知ってる)ことで、

 希少性の高い人材になれる。深い知識が必要なら、専門家に頼ればいい」って。

このBTCの考え方も、同じことを言っていると思う。

専門家チームを率いるプロデューサーになることを想定した話だと思う。

 

越境すると失敗するの怖いよね…でも!

本書で紹介されている、

学習の4つのA(ザ・プロフィット 利益はどのようにして生まれるか)の「Awkwardnessで止まってしまう人」の話は響いた…

他の領域にチャレンジする。

そうすると必ず、少し失敗したり、周りについていけなかったりする。

そうなると人は、もっともらしい理由をつけて撤退したがる。

まさに今の自分!といった感じ。めげずに頑張ります!

 

 

<<<読んでどうする?>>>

 

今の自分の状況に照らし合わせてみた

・私は、アイディアマンであることには自信がある。

 そこにマーケティングを重ね、説得力のアイディアに昇華させる能力をつけたい。

 そうすれば強いヴィジョンを示し、皆を牽引するリーダーになっていける気がする。

・私は、現段階で、

  ・ビジネスのリテラシーがある。

  ・(本事業に関連した)テクノロジーがわかる。

 そして、今推進している事業の立ち上げを通して、

  ・ビジネスがわかる(実施実績をもつ)

  ・(本事業に関連した)テクノロジーがわかる。

  ・UI/UXのクリエイティブがわかる。

 ようになり、BTC人材に近づいていくのだ!

 

今後やる予定のこと

・ビジネスデザイナーをいっそもう、名乗ってしまおう。

 名刺にも書いてしまおう。そうすれば意識するし、そう振る舞える。

 「なんですかこれ?」って聞かれたらガンガン答えてしまおう。もう。

・本書内でオススメされていた、”SHIFT:イノベーションの作法”を読んでみよう。

・(SHIFTを読んだ後で)グロービスのデザイン教育講座ものぞいてみようかな。

・結局、デザインってものすごく広い意味をもつ言葉だよね。

 Takram Cast(https://cast.takram.com/)も聴いてみよう。

 

 

 

 

 

 

イノベーション・スキルセット 世界が求める人材とその手引き” 

とても勉強になりました。

やる気がムラムラ湧いてきたし、自分のキャリアパスもクリアになった気がする。